津軽の奥座敷、
昭和レトロの
温泉ロマン
大鰐町
三方を山々に囲まれた大鰐温泉は、800年以上の歴史を誇る湯の里。江戸時代には弘前藩の殿様が湯治に訪れ、明治・大正・昭和には津軽の奥座敷として全国から訪れる湯治客でたいへんな賑わいを見せ、花柳街も栄えました。若き日の太宰治の恋があったり、様々なドラマもありました。今でも商店街を歩くとレトロな看板や、ノスタルジックな薫りが街に残っています。
紹介している情報は掲載時のものです。予告なく変更等になる場合がございますので、ご了承ください。


1 長生きの湯
江戸時代の温泉番付表に
「別格」と紹介された
大鰐温泉
大鰐温泉は江戸時代の温泉番付表に、横綱・大関ではなく、別格扱いの「行司」として紹介されています。開湯はとても古く、鎌倉時代初期に全国行脚していた円智上人が大鰐の地で病に伏し、大日如来に祈ったところ、童子が夢枕に立ち、湧き出る温泉に入れば病が治るとお告げがあり、温泉の発見に繋がりました。この言い伝えにちなみ、土用・丑の日に温泉に入ると1年間無病息災で過ごせるという「大鰐温泉丑湯(うしゆ)祭り」が始りました。別の説では温泉は牛が発見したという話もありますが、祭では、大日如来を背中に乗せた牛を「ご神体」として入浴させながら祈祷しています。

眼病に効果!?
鰐が守る魂の泉
「大鰐」の名の由来は、遥か昔にこの地に立っていた大きな阿弥陀如来像「おおあみだ」が「おおわに」に変化したという説や江戸時代に巨大なワニのようなオオサンショウウオが棲息していたからともいわれています。「湯魂石薬師堂」は、石像の大きな鰐の口から熱湯が湧き出ています。このお湯のおかげで弘前藩の殿様 津軽為信の眼病が治り、お礼に薬師堂が建立されました。現在は足湯を楽しめるスポットになっています。ちなみにここの住所は「大鰐町大鰐大鰐」と「大鰐」が3回続きます!(驚)
- 湯魂石薬師堂アクセス
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字大鰐
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約10分
地元の人に愛される
共同浴場
明治28年に奥羽本線が引かれ「大鰐駅」が開業すると、遠方からも湯治客が訪れ、数多くの旅館が営業し、共同浴場もたくさんできました。共同浴場がたくさんあったのは、庶民の多くは内湯のない「客舎」に泊まったからです。現在では、当時の賑わいは無くなり、共同浴場も小さな規模のものから段々と廃業してしまいました。今では、4つの公衆浴場のみ営業してます。泉質は、ナトリウム・カルシウム 塩化物・硫酸塩泉で源泉温度は約60〜80℃。神経痛、筋肉痛、関節痛などに効能があります。

駅から歩いて
足湯をハシゴ
大鰐温泉にある「足湯」を巡るブラブラ散歩がオススメです。駅前の「おもてなし足湯」で足を温めてスタート、煎餅を食べたり、桂の木やお寺を眺め、赤色の「中の橋」を渡って「ホットパーク加賀助」へ。疲れた足をケアしたら、更に奥へ進んで石の鰐がいる「湯魂石薬師堂」へ。駅からは徒歩10分程度です(入浴時間入れず)。足湯のお湯は熱めなので、ポカポカになります。足を拭くタオルがあると便利です。
※足湯は下記3箇所の他に「大鰐温泉介護センターあぜりあ」にもあります。4/1〜10/31 9:00〜16:00 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字湯野川原7-2
-
駅前おもてなし足湯
- アクセス
- 利用可能時間/7:00〜18:00
- 年中無休
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字前田
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約1分
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ホットパーク加賀助
- アクセス
- 利用可能時間/7:00〜18:00
- 4月〜10月
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐中の橋付近
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約7分
-
湯魂石薬師堂(ゆだまいしやくしどう)
- アクセス
- 利用可能時間/7:00〜18:00
- 4月〜10月
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字大鰐
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約10分


2 昭和レトロの街歩き
ほっこり気分で
古き良き時代を想う
大鰐は「川と橋の街」。街の真ん中をせせらぎが流れ、色とりどりの鉄の橋がかかっています。橋の上からは広い空と連なる山々が見えて、のどかな景色にほっこりします。明治から大正期時代の大鰐は、人が溢れるほど多く、人力車がひっきりなしに往来していました。花柳街もできて、割烹やカフェや商店が軒を連ね、芸者さんのために髪結い屋が多くできました。その名残で現在でも美容院がたくさんあります。
おおわに
橋 COLLECTION
かつて大鰐は平川を挟んで北側が蔵館村、南側が大鰐村に分かれていて、橋はひとつだけでした。昭和29年の合併後はたくさん橋が架けられ、今は1kmほどの間に、虹の大橋、羽黒橋、夏沢橋、相生橋、月見橋、中の橋、青柳橋と7つも橋がかかっています。オレンジ色の月見橋のたもとには、オブジェのような火の見やぐら。冬の川には渡り鳥の休憩地にもなっています。川と橋の風景が大鰐温泉の叙情的な雰囲気を醸し出しています。

ネイティブ津軽弁に
出会えるかも!?
赤い橋「中の橋」で地元の方とおしゃべり。自転車のかごは、水のきれいなところに生える天然の山菜「ミズ」でいっぱいです。ミズは、くせもアクもなく、おひたし、汁もの、煮付け、油炒め、天ぷらなど、お酒のつまみにもご飯のおかずにもなり、とても美味しい「山菜の王様」。大鰐温泉は、『あずましいとこだぁ〜』と津軽弁を聞くこともできました。
※あずましいとは、居心地が良い、気持ちがいい、美しいという意味です。
色鮮やかな大円寺
境内には鐘の音と
桃の香り
津軽では「大鰐の大日様」と親しまれている大円寺。大鰐温泉発見のきっかけになった「大日如来」と「丑湯まつりのご本尊」を安置しています。大日如来は国指定重要文化財ですが、実は阿弥陀如来で、なぜ阿弥陀さまを大日さまとして信仰してるか、未だ解明されていない謎となっています。
- 大円寺アクセス
- 青森県南津軽郡大鰐町大字蔵館字村岡12
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約7分
「ひつじ年・さる年」の
津軽一代様なのに
境内には
牛のオブジェがたくさん
「津軽一代様」とは、自分の干支によりお詣りする神社が決まっているという津軽の風習です。大円寺のお正月は、未・申歳の参詣者でいっぱいです。しかし、境内は「丑湯まつり」のゆかりで色々な所に牛のオブジェがたくさんあります。いくつあるか探してみよう。

懐かしい世界。
喫茶店「ベル」
川沿いに建つちょっと古い建物の2階に喫茶「ベル」はあります。建物は大正時代に郵便局だったとか。階段を登ると、レトロ感あふれる懐かしい世界。壁紙やカーテン、シャンデリア、花札ゲームのテーブルが映画のセットのよう。女性オーナーは、地元生まれ。お店は24年ほど前にオープンしました。コーヒーやオーナーとの会話目当てに毎日常連さんが通います。最近は、“映えスポット”と紹介されたネットをみて、大鰐以外の若者も訪れるとか。2ミリのもちもち太麺のナポリタン(550円)は、麺の下にサプライズが。美味しくてボリュームも満点。

古い建物の2階に
喫茶ベル
建物の外観は古く、本当に営業しているのか不安になりますが、階段を上ってみるとレトロで懐かしい空間があります。
- 喫茶ベルアクセス
- 営業時間/10:00~18:00
- 定休日/日曜
- Tel. 0172-47-7007
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字前田82 2F
J弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約5分

太宰治ゆかりの老舗旅館
「ヤマニ仙遊館」
創業明治5年。現在の建物は明治30年に建築、大鰐温泉で最も古い旅館です。太宰治が療養のために母と一緒に宿泊するなど多くの文人に愛された宿。歴史に浸りながら、ゆったりと宿泊することができます。
- ヤマニ仙遊館アクセス
- 青森県南津軽郡大鰐町蔵館字村岡47-1
J弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約10分

階段を上がると
静謐な「羽黒神社」
「湯魂石薬師堂」の近くにある赤い鳥居をくぐり、坂を登っていくと山の方に急な階段が。階段の途中にある石造りの鳥居には可愛い狛犬、柱には見事な龍が彫られています。さらに100段以上登ると、ようやく拝殿があらわれ、津軽独特の珍しい「じゃんばら型しめ縄」が飾られています。人の気配があまりなく、静かで美しい場所。茶臼公園からも神社へ繋がる道があります。
- 羽黒神社アクセス
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字薬師館
J弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約20分


3 大鰐温泉グルメ
「朝日屋 日景食堂」の
もやしラーメン
大鰐には「津軽百年食堂」が駅前から大円寺通りに沿って3軒並んでいます。「津軽百年食堂」とは、約100年、三代に渡って続いてきた大衆食堂のことで、小説や映画にもなりました。大円寺の前に店を構える「朝日屋日景食堂」は、創業明治30年。ここの「大鰐温泉もやしラーメン(700円)」は塩味です。三代目が洋食を取り入れたメニューに発展させ、四代目が塩味のもやしラーメンを作りました。店内にある昔の日本人の体型に合わせた少し低めの椅子とテーブルが昭和の名残を感じます。
- 朝日屋日景食堂アクセス
- 営業時間/11:00~19:00
- 定休日/不定休
- Tel. 0172-48-3430
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字大鰐55-2
J弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約6分

大鰐の宝
「大鰐温泉もやし」
歴史は古く、江戸時代から温泉熱を利用して栽培されています。独特の芳香とシャキシャキとした歯触り、味の良さで人気が高い津軽伝統野菜です。「ワラ」で束ねているのが目印。鰐come 「メルカート」にて取り扱いがあります。
※11月から翌4月下旬までが最盛期となりますが、入荷状況が変わりますので詳しくは、お問い合わせください
- 大鰐町地域交流センター
鰐comeアクセス - 産直・売店「メルカート」
- 営業時間 /8:00~18:00(土・日・祝日は19:00まで)
- 定休日/第3木曜
- Tel. 0172-49-1126
- 南津軽郡大鰐町大字大鰐字川辺11-11
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約10分

お餅の
「やぎはし餅菓子店」
「もちのお店」の看板がある「やぎはし餅菓子店」。うるち米を使った「黒蜜串だんご」など、昔から地元の人に愛されているお菓子やいなりずしなどが味わえます。鰐comeでも販売コーナーがあります。
- やぎはし餅菓子店アクセス
- 営業時間/8:00~17:00 定休日/不定休
- Tel. 0172-48-4010
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字大鰐99-3
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約6分


童話の世界
「シュバルツバルト」へ
駅から鰐come方面へ歩き、踏切を渡ると、童話に出てくるようなお店が! イングリッシュ風ガーデンも見えます。ここはドイツの伝統菓子がいただけるデザートレストラン「シュバツルバルト」。芸術的に盛りつけられた旬のフルーツデザートは、心が溶けてしまうほどのクオリティ。お洒落な空間で優雅なひと時を過ごすことができます。
- シュバルツバルトアクセス
- 営業時間/11:00~18:00 定休日/火曜・水曜
- Tel. 0172-48-2895
- 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字川辺5-28
弘南鉄道大鰐線「大鰐駅」から徒歩約5分

見た目も味も
心ときめくデザート
定番メニューのキルシュトルテや、オリジナルのバースデーケーキのオーダーもできます。(バースデーケーキは要事前予約)

\ANOTHER SPOT/
星野リゾート 界 津軽
大鰐スキー場の近くの温泉旅館。2019年にリニューアルし、全客室が「津軽こぎん刺し」をテーマにしたご当地部屋「津軽こぎんの間」になりました。「津軽こぎん刺し」とは津軽地方の農家に江戸時代から伝わってきた幾何学模様の刺し子の技法で、温もりのある手芸として人気です。
- 星野リゾート 界 津軽アクセス
- Tel. 0570-073-011 青森県南津軽郡大鰐町大鰐字上牡丹森36-1 JR「大鰐温泉駅」から送迎バス約5分
