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弘南鉄道大鰐線

風景

LANDSCAPE

りんご畑鉄道

弘前市・大鰐町

「弘南鉄道大鰐線」は、全国でも珍しい“りんご園の中を走る鉄道”です。1952年(昭和27年)に開業。弘前市の市街地にある「中央弘前駅」と温泉やスキーで自慢の大鰐町の「大鰐駅」を結びます。全長13.9km、乗車時間は約35分、駅数は14。間の12の駅は、無人駅になっています。

紹介している施設は、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響から、休館等の対応をしている場合があります。訪問する際は事前にご確認ください。

01
弘南鉄道大鰐線
  • りんごと鉄道01
  • りんごと鉄道02

1 りんごと電車

車窓から
りんごウォッチング

「中央弘前駅」から10分ほど走ると田園地帯になり、左右にりんご園が広がります。10月〜11月の収穫最盛期には、車窓からたわわに実ったりんごを眺められるように、ゆっくり走る特別列車も運行。“りんごウォッチング”と同時に、木の上を飛んでいる鷹の凧もチェックしてください。りんごを食べにくる鳥を警戒して、風に乗ってぐるぐる回っています。

弘南鉄道と横のりんご畑

袋に包まれたりんご

赤や青の袋に包まれたりんごも見かけます。これは「有袋(ゆうたい)りんご」といって、害虫対策のためですが、皮がなめらかになり、色づきも鮮やかになる効果もあります。また長期貯蔵も可能なりんごとなり、春先まで長い期間、市場に出回ります。

線路の横のりんご畑

10月、11月は
真っ赤っか

りんごが真っ赤に色づくのは、10月に入ったくらいから。10月中旬〜11月上旬に収穫最盛期を迎え、ハシゴを使って農家さんが作業をしている姿がよく見られます。

※りんご園は私有地です。立ち入りには農家さんの許可が必要です。また、レール内はたいへん危険ですので絶対に立ち入らないでください。

  • 弘南鉄道青りんご
  • 弘南鉄道

色づく前の
りんごもキュート

太陽の光をたくさん浴びる前のりんごは青緑色ですが、そのままずっと赤くならない品種もあります。近年人気の黄色系りんご「王林」や「トキ」は、酸味よりも甘さが際立ちとってもジューシー。美味しい上に見た目もキュートです。

無人駅の待合室で
りんごを愛でる

「小栗山駅」を途中下車。駅の周りを散歩をしたら、「りんごの無人販売」を発見! 「りんご畑鉄道」沿線で採れたりんごは、今すぐ丸かじりしたいほど美味しそう。次の電車まで1時間。小鳥の囀りと風のそよぐ音を聞きながら、自由時間が続きます。

  • りんご無人販売
  • 小栗山駅
弘南鉄道りんご
02
冬の弘南鉄道
  • 雪と弘南鉄道
  • 弘南鉄道

2 冬の弘南鉄道

車窓から見える
冬の津軽は美しい

豪雪地帯の津軽は、例年11月頭くらいに岩木山に初冠雪があり、11月中旬になると里にちらほらと雪が降り始め、12月からは“積もる雪”となり、年を越すと雪に包まれ、津軽は美しいモノトーンの世界に変わります。寒さも厳しくなった雪国の電車は、駅に停車中でも保温のためにドアは閉まっています。開閉ボタンを操作して乗車します。

中央弘前駅

雪降る中、
中央弘前駅から
大鰐温泉へ

「中央弘前駅」は、JR弘前駅から徒歩約20分。建物も駅の文字もレトロ感満載で、昭和にタイムスリップしたみたい。駅は川に面し、近くには赤煉瓦の古い教会、飲屋街や大衆食堂がある弘前市の中心街・鍛治町に近い駅です。ここから乗車して、雪景色を眺めながら、終点の大鰐温泉まで旅に出ます。

  • 車掌
  • 駅舎のストーブ

駅舎のストーブで
温まる

出発までの待ち時間は、駅舎のストーブで暖がとれます。椅子には手作りの座布団も。運転手さんや地元の方とのおしゃべりしたり、地元ならではの情報も聞き出してみよう。

  • 雪の景色
  • 雪の景色

住宅街、学生街、
そして田園へ

出発すると、電車は赤い橋がかかる土淵川沿いを抜け、住宅街の中を進みます。美術館とお寺がある「弘高下駅」の先は、「弘前学院大前」「聖愛中高前」と学校が集まるエリアを走ります。大鰐線は、朝と夕方は学生たちで賑やか。10代の津軽弁を聞きたい場合は、通学時間の乗車がおすすめです。

  • 車窓
  • 冬のりんごの木

冬のりんごの木は
どんなようす?

りんごは落葉樹。冬になると葉っぱが自然に落ちて、木の形が丸見えになります。そのため、冬の間に農家さんは枝の剪定作業を行います。収穫がしやすいように枝が横に伸びるように切ったり、果実に栄養が届きやすい樹形に整えます。農家さんの中には、1個だけりんごを採らないで残すことも。それは、「木守り」といい、冬の間に樹々を守り、来年の豊作を願ったおまじないです。雪の中に赤い実が残っているか探してみよう。

石川駅

「津軽」発祥の
古戦場

「石川駅」と「石川プール前駅」の間の平川に大きな鉄橋がかかっています。川沿いの小高い丘はかつて「大仏ヶ鼻」と呼ばれ、室町時代にお城がありました。後に弘前藩の初代藩主となった為信が津軽統一の初戦として奇襲をかけた古戦場です。県道260号の「御幸橋」は、鉄橋を渡る電車と大仏ヶ鼻(現在は大仏公園)が見渡せる絶好の撮影スポットです。

大鰐駅

昭和レトロの温泉街
大鰐温泉に到着

終着駅の「大鰐駅」はJR奥羽本線「大鰐温泉駅」と合流。弘前市街地より山が近くなり、雪も深くなります。大鰐温泉は、鎌倉時代に発見された800年の歴史がある温泉地。江戸時代は弘前藩の殿様が湯治に訪れ、大正〜昭和期には、全国からの湯治客でたいへんな賑わいを見せました。今は当時の賑わいはありませんが、昭和レトロな面影が通りにちらほら残されています。大鰐温泉もやしラーメンの津軽百年食堂、店先で焼く手焼きせんべい屋、お餅の菓子屋など、古津軽なグルメを巡るまち歩きもおすすめです。

大鰐温泉

旅の〆は
「駅前おもてなし足湯」

街を歩きまわった後は、足湯でしっかり足のケアを。「駅前おもてなし足湯」は、冬も入れます。営業時間は、7:00〜18:00。熱めのお湯なので、足湯でもじわじわと全身が温まります。

弘南鉄道の人気者
「ラッセル君」

黒い車両は、1937年生まれのラッセル車「キ105」。大鰐線はED221と一緒に、ラッセル列車として緊急出動します。レールが雪で埋まった時には大活躍。ラッセル君は、マスコットキャラクターとしてLINEスタンプにもなっています。※ラッセル車の運転ダイヤは安全の都合上、非公開となっています。(写真右と中央は弘南線のラッセル車です。)

  • ラッセル君
  • 雪のラッセル君
ラッセル君大鰐線
03
弘南鉄道 千年
  • 弘南鉄道小栗山駅
  • 小栗山神社

3 田園と弘南鉄道

野を越え、川を越え
さらに自転車に乗って!?

「中央弘前駅」から出発した電車は「千年駅」を過ぎると、田園地帯へ入ります。大鰐線は、線路が単線なので、電車が風景に良くとけ込んでいます。途中下車して、散歩がてら、鉄橋を渡る姿を見に行こう。写真は、「小栗山駅」近くの大和沢川の陸橋。
そして実は、大鰐線は、自転車持ち込みが可能です。弘前市内のレンタサイクル(例えば「JR弘前駅」の観光案内所など)を利用して、レンタサイクルで「中央弘前駅」に移動、そのまま自転車と一緒に大鰐線に乗ることができます。途中下車して田園風景の中を自転車で走るのも気持ちがいいです!

  • 田園の中の電車01
  • 田園の中の電車02

自転車を持ち込んで
景色を見にいこう!

4月〜11月の期間は、大鰐線の全駅で自転車を持ち込める「大鰐線サイクルトレイン」(予約不要)となります。ただし、祭り期間、平日の朝夕は持ち込み不可。乗車券以外に追加料金なしで、1台に限り無料となります。詳しくは、「弘南鉄道株式会社 」までお問い合わせください。
Tel. 0172-44-3136

「レンタサイクル(有料)」については、
弘前市立観光館まで。
Tel. 0172-37-5501

大仏公園の展望

わざわざ行く
価値のある景色
大仏公園

「石川駅」で途中下車して、10分くらい歩き(自転車では約5分)、「大仏公園」の上の方まで登ると、“わざわざ行く価値”がある景色が広がっています。町並みの先に田園、津軽平野の奥に連なる山々、鉄橋を渡る電車など、まるで模型のジオラマを見ているよう。

  • 駅ホームからの岩木山01
  • 駅ホームからの岩木山02

各駅のホームで
岩木山に見とれる

弘南鉄道は、岩木山の麓を走る風光明媚な路線。実は、各駅のホームは岩木山の格好のビューポイントです。岩木山は、早朝や夕方の美しい光を受けたり、様々な形の雲がかかり日によって全然違う表情を見せます。冬は雪に覆われ真っ白に、春は残雪の雪型があらわれます。表情豊かな岩木山をそれぞれのホームから眺めるのも楽しいです。

大仏公園の展望

弘前方面へは
夕陽に向かって
走ります

夕方の大鰐温泉から弘前方面へ向かう電車は、夕陽に向かって走ります。天気が良い日の夕陽はとても美しく、心に染みる風景です。写真は「松木平駅」と「津軽大沢駅」の間。まわりはりんご園です。

ANOTHER SPOT

ハートをキャッチしよう!

電車の中は赤い輪がズラリ!この中にひとつだけハートの形のものが下がっています。見つけたら「恋が叶う」という噂も。赤いつり革と緑の三角は、りんごをイメージ。緑の三角は岩木山にもなっています。そして、よく見ると渋谷109の広告が!元々は東急線の車両だったので、当時の広告がそのまま付いています。

  • 弘南電車
  • 東急電車の名残
ハート型手すり

もうひとつの弘南鉄道
「弘南線」は、「田んぼ鉄道」

弘南鉄道には、「弘南線」という路線もあり、JR奥羽本線「弘前駅」に併設した「弘前駅」から、「黒石駅」まで13駅、16.8 kmを結んでいます。途中の「津軽尾上駅」から「田んぼアート駅」の間は田んぼの中を走り、雄大な岩木山を背景として人気の撮影スポットです。8月は青々とした稲穂、10月は黄金色に輝く稲穂がとても美しく写真映えします。

  • 田んぼ鉄道01
  • 田んぼ鉄道01
田んぼ鉄道01
「りんご畑鉄道」の地図

「りんご畑鉄道」の地図

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